さて、これから「ITコーディネータのためのPGL4.0解説」を行っていきます。
本連載では、まずは「ITコーディネータのバイブル」とされている「プロセスガイドライン」バージョン4.0(以下、PGL4.0)の「10原則(基本原則)」について、実務視点からわかりやすく解説し、実務・研修・試験での活用を支援します。
はじめに
2024年の3月に改訂された「PGL4.0」は、ITコーディネータに求められる役割や行動様式の変化を反映した、重要な指針です。
全部で4部の構成となっている点は、従来のPGL3.1と同様ですが、全編を通してPDCAの各要素や成功への「基本原則」の定義が少しずつ変わっています。また、新しく追加された要素も出てきています。
特に第1部では、PGL3.1では7つだった「基本原則」が10に再編されており、より高度な理解・活用が必要になってきています。
既に、この5月(2025年5月)からケース研修はPGL4.0ベースで実施されています。試験の方がPGL4.0に対応するのはこの8月からですが、いずれにしても、この新たな指針をどのように理解し、行動に落とし込むかが今後の鍵となります。
本連載の目的
本連載では、PGL4.0における各基本原則について、その定義・背景・実務活用・研修・試験との関連性を、順を追って丁寧に解説してまいります。
想定読者:
- PGL4.0を実務と結びつけて理解したい現役ITコーディネータ(ITC)
- 新制度下で試験に臨むITC受験生
- ITCアソシエイトを目指す方
- 新しいPGL4.0ベースのケース研修を受けるにあたって、事前にPGL4.0を俯瞰しておきたい方
- 会社からITC取得を求められたが、どこから始めるべきか悩んでいる方
連載の構成と特徴
1本あたり5〜10分程度の分量で、以下のような構成で連載いたします。
- 第1回:PGL4.0とは何か?旧版との違いを概観
- 第2回:10原則の全体構造
- 第3回:ケース研修と試験の変化と対策
- 第4回~13回:基本原則①〜⑩を個別に解説
- 第14回以降:チェックリスト、実務応用、試験対策の補足
また、図解・用語解説・フレームワーク等も随時活用し、理解を助ける構成とします。
基本的な立場
PGL4.0は単なる試験対策の資料ではなく、ITコーディネータ(ITC)が“価値創出型”支援者に変わるための行動規範です。
本連載は、制度側の公式見解に基づくものではありますが、あくまで一実務者の視点に基づく解釈と案内を提供するものです。読者各位には、ここを出発点として、自身の理解と実践モデルを磨いていただければ幸いです。
次回予告
それでは、次回より連載を開始します。
しばしの間、お付き合いください。
💡追記:ITコーディネータ試験に向けた、PGL4.0準拠の無料練習問題を公開しています。よろしければ試験準備の学習にお役立てください。メールアドレスの登録等は不要です。